【 TAG HEUER Super Professional 840.006-2 】そろそろ買っておきたい「タグホイヤー スーパープロフェッショナル」レビュー
夏!真っ盛り!
夏といえばダイバーズウオッチだ!
出会いは10年以上も前になるのだが、ヴィンテージダイバーに興味を持ち始めた頃、色々と雑誌やネットで調べている時に、数あるダイバーズウオッチの中から目に飛び込んできたのが個性的なデザインのダイバーズウオッチ「TAG HEUER スーパープロフェッショナル」だった。
最初の印象は特徴的なベゼルが好みではなかったのだが、時を経て趣味が変わったのか、最近無性に欲しくなり良い個体は無いかと秘かに探していたのだ。
そして、今回理想的な個体を発見することが出来たので急遽入手したのである。
このスーパープロフェッショナルは「ホイヤー」時代の1984年のカタログより登場したモデルで、2001年のカタログにも掲載されていたので、かなり長い間生産されていたロングランモデルである。
1984年に登場した直後の1985年にはTAGグループからの資金援助を受けて「ホイヤー」から「タグ・ホイヤー」に社名を変更し、ロゴマークも変更された。そのため初期の物はHEUERマークの個体も存在しており現在では貴重である。
また、HEUERマークとTAGHEUERマークが1つの個体に混在しているものもあるようで、例えば、文字盤がHEUERマークでブレスはTAGHEUERマークだったり、ケース裏側にもマークがあるので、その部分だけがHEUERマークなど何パターンかありそうである。
このように、同一モデルでも微妙な仕様の違いがあるのは、リーバイスのジーンズの様でコレクター心をくすぐるのだ。
発売当時の価格は
Ref.840.006→135,000Yen
Ref.844.006(GPベゼル) →150,000Yen
であった。
また、スーパー・プロセット
- 延長バンド付ゴムバンド
- 長さ調整可能ゴムバンド
- バンド交換用特殊工具
- 減圧表
- 水牛皮ケース
上記のセットだと
Ref.840.006→260,000Yen
Ref.844.006(GPベゼル)→275,000Yen
セット価格が異常に高額だったようで、セットでの完品は滅多に出てこない。
僕が今回入手した個体はRef.840.006-2 Cal.ETA2824-2で、末尾に-2が付いているのだが、Ref.840.006と違いがあるかどうかは不明だ。
1991年のカタログまでRef.840.006が掲載されており、それ以降のカタログでは品番がWS2110.BA0349になっている。その変更に合わせて販売価格も165,000Yenになったようだ。
【レビュー】
やはり一番特徴的なのは、グローブを装着したままでも操作ができるベゼルである。10分毎のメモリが大きく表示された逆回転防止ベゼルだ。
かなり操作はしやすいのだが、何かの拍子に出っ張りに引っ掛かりベゼルを回転させてしまう恐れがある。
実際に僕が経験したのだが、腕時計をしていない方の腕がベゼルに触れてしまいカチカチカチと回転させてしまった事があるので、実際海で使う際は注意が必要だ。
「 T SWISS MADE T」のトリチウム夜光が良い感じに焼けており、ヴィンテージダイバーの醍醐味を楽しむことができる。
今でも強い光を当てれば多少の間は光るのだが、かなり夜光は弱っている。
この他にも「T < 25 SWISS MADE T < 25」の表記のものや、単に「SWISS MADE」のものも存在しているようだ。
古い年代の個体になると、ベゼルの夜光部分が焼けて濃いオレンジ色に変色しているものや、針の夜光が剥がれ落ちているものもあるが、今回入手した個体は状態も良いので、これから、更に経年変化を楽しめそうである。
ブラックボーイと比べてみる
並べてみるとよく分かるが、スーパープロフェッショナルのケースはマット仕上げなのでまったく質感が違う。
さすがに1000mダイバーで、タグホイヤーの腕時計の中でも最強の強度を誇っていたモデルなので、それなりの大きさではあるのだが、最近の腕時計と比較するとびっくりする程の大きさではない。
ブラックボーイがベゼル経約41mm、厚さが約13mmなのに対して、ベゼルの一番突起している部分で約43mm、厚さは約14mm程度である。
リューズはネジ込み式で、グッと押し込んでからネジ込むのだが、ぐるぐるとネジ込む感じではなく、ロックをかける感じで軽く絞め込む感覚である。
ブレスはバックルが大きいタイプの社外品に交換して使用しているのだが、純正ブレスにはTAG HEUERのマークが入っている。
更に後期型は、ダブルロックのバックル部分にリューズのマークと同様にTAG HEUERの文字が入らない、枠のみのマークが入るタイプもある。
最初期=HEUERマーク→TAG HEUERマーク→枠のみのTAG HEUERマーク
エクステンションタイプで、ウエットスーツの上からも着用可能、そして長さの調整方法はオーソドックスな割りピン方式である。
裏蓋は無くケースと一体化させたモノコック構造のワンピースケースだ。
裏蓋が無いためムーブメントへのアクセスはベゼル側からの作業となる。
840.006-2の刻印があり、白く塗り潰してある部分にシリアル番号が入る。
さすが、ISO(国際標準化機構)の極めて厳しいテストをパスしているだけあって、かなり頑丈そうなダイバーズウオッチである。
その分、重量は149gとヘビー級になっているので重い腕時計が苦手な人にはオススメしない。
僕自身、以前から1000mのダイバーズウオッチが欲しいと思っていて、セイコーのイエローTUNA( SBBN027 )を狙ってコツコツとお金を貯めていたのだが、たまたま店頭で実物のスーパープロフェッショナルを見る機会があり、急遽そのカッコ良さに惹かれ購入に至ったのだ。
急遽と言っても衝動買いではなく、それなりの理由があるのだが、最近オークションやフリマアプリなどでもブランドを問わずヴィンテージの1000mダイバーを見かける機会がめっきり減っていたのと、知らぬ間に80年代から90年代のタグホイヤーの一部のダイバーズウオッチが値上がりしはじめており、僕自身もProfessional 2000のダイバーズウオッチを最近売却しており、身をもって実感していたからである。しかもボーイズサイズの様な小振りのタイプも高値で取り引きされているのだ。
そんな中、誰もが知るブランドで現在でも10万円以下で購入可能な機械式ヴィンテージダイバーズウオッチはスーパープロフェッショナル以外にはない。
同モデルのスーパーレアなブラックPVDバージョンの入手はかなり難しいが、通常のRef.840.006とWS2110は容易に見つける事ができる今のうちが状態も含め選ぶことのできる最後のチャンスではないだろうか!?