【 SEIKO 7548-700B 】一生モノ!? タフすぎる腕時計 オーバーホールへの道
皆さんは腕時計を買う時、何を基準にして選んでいますか?
ブランド、デザイン、機能、価格などで選んだり、誰かによる影響や憧れなんて事もありますよね。
それぞれの人が様々な基準で腕時計を選んでいると思いますが、僕が腕時計を選ぶ時の基準は使い込んでエイジングを楽しみながら育てていける時計。つまり、キズがついても似合う腕時計で、多少ラフに扱っても耐えられるタフな腕時計をなるべく選ぶようにしています。
そして、これが重要なんですが、現在新品では購入できない腕時計に、より特別な魅力を感じます。
これは若い頃に影響を受けた1点物の古着の中から自分好みの服を探し出す楽しさであったり、かつてのG-SHOCKブームの時のように、よりレア度の高い物を所有したいという当時の思いからきているのではないかと思っています。
そんな趣向なので、古き良き時代の同じ様な腕時計ばかりが増え続けているのですが、やはりこれらの腕時計にはヴィンテージ加工では再現できない長年使い込まれてできた使用キズであったり、経年による色褪せや劣化によって出る独特の雰囲気があり最高にカッコ良いんですよね。
しかし、僕好みの実用時計はメンテナンス状況が不明な場合が多く、ほとんどの個体が1度もオーバーホールされる事無く現在に至っていると思うので、すぐに故障したり不具合を起こすリスクが高いのも事実です。
そんな基準で収集してきた僕のコレクションの中には、今年で製造より40年を迎えた腕時計があります。
それはSEIKOの7548-700Bと以前紹介したCITIZENの4-732316-TAで、たまたま2本ともPEPSIベゼルでした。
今回は【PYH011】7548-700Bの話
【 SEIKOウオッチカタログ1979年より転載 】
【 購入時期 】
1979年に登場したクォーツダイバーの初期モデルで、これぞ『SEIKO DIVER´S』の顔をしており現在でも根強い人気があります。
【 SEIKOウオッチカタログ1979年より転載 】
また、6306サードダイバーの後継機であり、共通パーツもあるので部品取りに使われる事も多く、ジャンク品でもそこそこの値が付くのが特徴です。
また、現在の相場では考えられないですが、当時の定価は7548の方がサードダイバーより高いですね。
話を戻して、実はこのモデルを買ったのは2回目で以前にも同モデルを所有していたのですが既に手放しており、これは2年ぐらい前に再度中古で購入した個体です。
珍しく実物を見ないで購入した時計で、商品説明には『電池切れですが年代の割に美品です』と記載があったので入手したのですが、針に腐食があったり、風防にも深い点キズがあったのでガッカリした事を覚えています。
中古なので、多少のキズは我慢できますが、針の腐食は浸水した可能性もあるので記載して欲しかったですね。絶対に買わないので!到着時は電池切れで不動だったので動くか不安でしたが、バッテリーを交換したら問題なく稼働しました。
【 突然の故障!? 】
この7548-700Bは今月(12月)でちょうど40歳を迎えたのですが、突然時間が遅れるようになってしまいました。
寒くなってきたからなのでしょうか?
メンテナンス歴も不明だったので、このタイミングで不具合が出てきたと思われます。
【 症状 】
時間が遅れる原因としては、文字板の35分辺りで、秒針がピクピク足踏みしていました。そして、しばらくするとまた動き出す感じです。そのため少しずつ時間が遅れていくようです。
【 とりあえずの対策 】
以前バッテリー交換をしてから2年程経過しているので、バッテリーが弱ってパワー不足になっているのでしょうか?
一応バッテリー寿命は3年のはずで、バッテリー切れ予告の2秒運針にもなってないのですが、とりあえず仕事帰りに一級時計修理技能士の営む時計店へバッテリー交換に行って来ました。
店主には「バッテリーは弱っているけど、バッテリーが原因じゃないかも?」と言われましたが、駄目元でお願いして交換してもらいました。
改善しない場合はオーバーホールをすすめられましたが、部品交換が必要な場合「古い時計なので部品が入手できないかも?」との事でした。そこでオーバーホールを依頼すると費用は1万円ぐらいだそうです。やはり国産クォーツのオーバーホールは安いですよね。
【 バッテリー交換の結果は? 】
2日間ウォッチボックスに入れて様子を見ましたが、問題ないようでしたので3日目に仕事に着けていきました。
とりあえず問題ないと思っていましたが、家に帰る頃には30分程遅れていたので、どうやら着用していると遅れていくようです。
覚悟はしていましたがオーバーホールが必要な状態のようです。
【 オーバーホールするの? 】
正直この個体をオーバーホールに出すか悩みました。
僕のコレクションの中では着用機会の少ないPEPSIベゼルであるのと、そこまで状態が良い個体ではない事がネックになっていましたが、改めてこのモデルの文字板のデザインの良さと、ヴィンテージならではの雰囲気を再評価し結局オーバーホールに出す事にしました。
今回のオーバーホールは以前2625-001Aを修理していただいた、近所にある工房にお願いすることにしました。
こちらの工房は老舗で古い腕時計も得意としているので、こちらに出す事に決めました。
職人さんが言うには、この時代の腕時計は部品も丈夫なので、だいたいオーバーホールすれば直るとの事でした。
年内に仕上がるかどうからしいので、またオーバーホールが終了したら報告いたします。
無事直るのでしょうか?
【 追記 】
2021年 1月30日に無事オーバーホーが終了し戻ってきました。
当初の予定より周年イベントで忙しかったのか、2ヶ月弱かかりましたが結局オーバーホールで問題なく稼働しているので安心しました。
ちなみに周年イベント割引適用で7425円でした。
2020年が工房の割引適用期間だったようで、かなりリーズナブルにオーバーホールができたのはうれしいですが、もっと早く周年イベントに気付いていれば何本かオーバーホールをお願いしたかったですね。
しかし、オーバーホールで完全復活した
「リタルタフネス 7548-700B」
あと何年使えるのか凄く楽しみです。