【CITIZEN Depth Meter Cal.No.022】スポルテダイバー デプスメーター
SEIKOのヴィンテージダイバーズウオッチの高騰により、数年前からCITIZENのヴィンテージクオーツダイバーまで値上がりしてきた。
しかし、クオーツは壊れたら修理不可の場合も多く、現存するタマ数も多いので機械式のダイバーの様に高騰することはないと思われる。しかし、機械式のダイバーが高額で手が出しにくくなってきているので、手軽にヴィンテージダイバーの雰囲気を楽しむことができるクオーツダイバーが注目されているのは間違いないようだ。
実際、希少なクオーツモデルは以前に比べると高値で取り引きされているので、やはり同じ様な考えの人も多いのではないかと思われる。
そこで今回紹介するのは、シチズンを代表するダイバーズウオッチで、ユニークな見た目から海亀の愛称で呼ばれるデプスメーター ( 海外ではアクアランド )の初期モデルである。
【CITIZENオフィシャル 歴代モデル検索 デプスメーターへのリンクです】
このモデルは1985年に登場した、世界初のエレクトロニクス水深計(0.1m単位、80m迄計測)を搭載したダイバーズウオッチである。
その後、1986年1月に
「THE DIVINGROBOT “AQUALAND ”」
として世界中で発売され注目を集めた。
この腕時計は 1988年に公開されたリュック・ベッソン監督のフランス × イタリアの合作映画
【グラン・ブルー】Le Grand Blue
フリーダイビングの世界記録に挑む2人のダイバーの友情と軋轢を描いた海洋ロマンスムービー
この映画に登場するイタリア人ダイバーのエンゾ役を演じるジャン・レノがAQUALANDのブラックPVDモデルを劇中で使用していたのは日本ではあまり知られていない話である。
まずこのエピソードだけでも男のロマンをくすぐられる十分な要素である。
そして、さらに
【 CITIZEN × DACOR 】
【SEIKO × SCUBA PRO】 とのダブルネームは有名なので知っている人は多いと思うが、こちらは 【CITIZEN × DACOR】 のダブルネームのダイバーズウオッチなのだ。(デザイン違いも有り)
最近では【SEIKO × PADI 】のコラボレーションでダイバーズウオッチを限定販売しているが、当時の【CITIZEN × DACOR】は少し意味合いが違い、DACORがシチズンにダイバーズウオッチの生産を依頼をしているのだが、あくまでDACORのダイバーズウオッチとして販売していたものである。
DACORは1954年からレギュレーターを製造・販売していた会社で、当時アメリカにあった5つの器材メーカーのひとつである。現存はイタリアのMaresと合併している。
余談だが、DACORはダイバーズウオッチの生産をイタリアの腕時計ブランド「Squale」に依頼していた頃もあり、「グラン・ブルー」のモデルになったジャック・マイヨール氏が 1970年伊豆半島沖で76mを記録した時につけていたのもSqualeのダイバーズウオッチである。
このダイバーズウオッチの付加価値的な魅力は十分に紹介したが、この腕時計の凄いところは海外ではロングセラーの人気モデル「アクアランド」として現在でも販売されていることである。それはダイビングの道具として高い堅牢性と信頼性をダイバーから得ている証拠なのではないだろうか。
国内向けとしての販売期間等は不明だが、1999年に国内向け復刻版として1000個限定で販売されたようだ。初代デプスメーターとはケース形状等で細かな違いがあり、裏蓋はスクリューバックに変更されるなどスペックアップしている。
このスクリューバックのデザインが国内向けの復刻らしい。↓↓
現在(2020年)国内でも流通限定でJP2000-08Eとして購入可能だ。(日本製ムーブメント 中国組み立て)
見た目のデザインは1999年の復刻版と同じ様に見えるが、裏蓋のデザインがプロマスター仕様になっている点は明らかに違う。
【WATCH DATA】
DACOR MODEL Cal. No.C020/C022
ベゼル径 約38mm
ケース径 縦約48mm (ラグ先~ラグ先)
ケース径 横約51mm
厚さ 約12mm
ラグ幅 24mm
ねじ込み式リューズ
200m防水
月差 ±20秒以内
バッテリー 3個
(C026/C028は特別調整品)
【時刻系機能】
- 時刻
- カレンダー
- アラーム
- ストップウオッチ
【ダイブ系機能】
- 最大深度メモ
- 深度アラーム
- 潜水時間メモ
- 潜水時間アラーム
- 水深計測
- 潜水時間計測
※現在シチズンではC020/C022のメンテナンス不可(バッテリー交換も不可)なので、購入の際は十分に状態の確認をすることをおすすめする。
最近オークションやフリマアプリでは、ジャンク品の出品が多いように感じるのも上記の理由からだと思われる。