【 SEIKO 6531-600A 】これぞ匠の技!? 砥石で風防を研磨してみた!
以前紹介したSEIKO Avenue 6531-600a
戦場で使われていたのか?
と思わず突っ込みたくなるぐらいキズだらけのこの腕時計
もちろんガラスもキズだらけだったので、砥石を使っての研磨にチャレンジしてみました。
研磨するのにあたって購入したのが、#3000, #6000の砥石2つです。
ホームセンターで購入したのですが、#3000はどこのホームセンターでも売っていて簡単に入手できたのですが、#6000の安い砥石を見つけるのに多少苦労しました。
#3000, #6000共に一番安い2000円弱の物を購入したのですが、粒度の番手が上がるにつれて価格は上がっていくようです。
※赤いのは#1000のダイヤモンドヤスリです。以前これで研磨したら、取り返しのつかない事になったので、今回は使用しません。
【はじめに】
今回研磨した腕時計はフラットのガラス(ハードレックス)で、横から見るとケースよりガラスが飛び出している腕時計だったので砥石での研磨にチャレンジしてみました。
また、水を使用して研磨するのでムーブメントを取り出してから行うのが最良ですが、面倒だったので今回は浸水覚悟で研磨を行いました。もちろん故障する可能性もありますのでご注意下さい。
【 作業開始 】
#3000の砥石は5分程水に浸してから使用して下さいと注意書きがあったので、水に浸けてから使用しました。また、#6000の砥石は水に浸さなくても使用可能との事てした。
#3000の方は十分に水に浸さないと、砥石自体が水を吸い込むのでスムーズに研ぎづらく、一方#6000の砥石は霧吹きで水を吹きかけながらの作業で十分に研ぐ事ができました。
#3000で荒削りをしてから#6000に移行していく感じで研磨します。
研いでいると水が茶色く濁ってくるのですが、この茶色の水で研磨されているので洗い流さずひたすら研ぎます。
ある程度研ぎ続けると磨りガラスの様になっていくのですが、砥石は同じ場所で研ぎ続けるとその部分だけがすり減ってフラットではなくなるので、ガラス面を均等に研ぐことが思った以上に難しかったです。僕の場合はガラスの中央付近が全然磨りガラス状にならなくて外周ばかり削れてしまいました。
さらに、深いキズまで消そうと思うと、相当な忍耐力が必要になるので、今回は諦めて次の作業に移ります。
キイロビンをガラスに少量つけて、リューターを使い磨いていきます。
フエルトバフは筆先の様な形状をしている方がフエルトも硬めで扱いやすく、研磨面積は小さいですがピンポイントに攻められるので効率は良かったです。
ちなみにキイロビンはクリーム状なので、少し水で薄めて使った方が消費量も抑えられて良いと思います。
そのまま使用すると、すぐに水分がなくなり細かい粉になって舞うので、吸い込んだり目に入らないように注意が必要です。
全体的に曇りがなくなるまで研磨しました。明らかに細かなキズは消えて見映えは良くなりましたが、表面を「キズミ」で見てみると肉眼では気にならないのですが、砥石の粒子でついたと思われる無数の細かなキズが見えます。
キイロビンで溶けたように滑らかになっているので、うねうねと波打っている感じです。
さらに酸化セリウムで磨けば、もう少しキレイになると思いますが、今回はこれぐらいで終了し追加で2本研磨しました。
【 作業を終えて 】
明らかにキズだらけの腕時計だったので、細かいキズが目立たなくなって仕上がりには満足しています。
作業前に比べると確実に見映えは良くなったのは事実ですが、やはり#6000の砥石(砥石のグレードも関係しているかもしれません)であっても元々キズがなかった部分に細かなキズが入ってしまうのは気になりますね。
まだまだキレイになるとは思いますが、新品のガラスの様に完全にフラットにすることは無理なので、全体的にキズがついてしまったガラスでない限り、やらない方が良いと思います。
ただ今回3本の腕時計を研磨したのですが、キズだらけの時計がキレイになっていくのは気持ちが良いですね。作業も大変ですが楽しいので今後ガラスがキズだらけの腕時計に出会っても研磨できそうだったら購入の選択肢に入れても良いかなと思えました。
また無駄遣いが増えそうです。